令和6年度 第56回社会保険労務士試験の解答速報・試験講評
2024/08/14
8月25日(日)に実施されました、令和6年度 第56回社会保険労務士試験の解答速報・試験講評をこちらのページで公開しています。
自己採点機能も公開しておりますので、ぜひご活用ください。
また、小野講師による試験講評を試験当日にライブ配信も実施いたしました。
※アーカイブでご覧いただけます。
解答速報
8月25日(日)に実施されました、令和6年度 第56回社会保険労務士試験の解答速報を公開いたします。
選択式
問1 労働基準法及び労働安全衛生法
A | B | C | D | E |
---|---|---|---|---|
10 | 9 | 13 | 18 | 17 |
問2 労働者災害補償保険法
A | B | C | D | E |
---|---|---|---|---|
5 | 2 | 17 | 10 | 20 |
問3 雇用保険法
A | B | C | D | E |
---|---|---|---|---|
2 | 2 | 3 | 4 | 3 |
問4 労務管理その他の労働に関する一般常識
A | B | C | D | E |
---|---|---|---|---|
14 | 3 | 11 | 9 | 8 |
問5 社会保険に関する一般常識
A | B | C | D | E |
---|---|---|---|---|
8 | 2 | 18 | 12 | 19 |
問6 健康保険法
A | B | C | D | E |
---|---|---|---|---|
5 | 10 | 15 | 3 | 4 |
問7 厚生年金保険法
A | B | C | D | E |
---|---|---|---|---|
17 | 2 | 12 | 14 | 9 |
問8 国民年金法
A | B | C | D | E |
---|---|---|---|---|
3 | 9 | 12 | 2 | 16 |
択一式
労働基準法及び労働安全衛生法
問1 | 問2 | 問3 | 問4 | 問5 |
---|---|---|---|---|
D | C | E | A | C |
問6 | 問7 | 問8 | 問9 | 問10 |
D | A | B | D | C |
労働者災害補償保険法
問1 | 問2 | 問3 | 問4 | 問5 |
---|---|---|---|---|
A | D | C | D | E |
問6 | 問7 | 問8 | 問9 | 問10 |
C | B | E | B | D |
雇用保険法
問1 | 問2 | 問3 | 問4 | 問5 |
---|---|---|---|---|
A | B | D | D | E |
問6 | 問7 | 問8 | 問9 | 問10 |
A | E | C | D | D |
労務管理その他の労働及び社会保険に関する一般常識
問1 | 問2 | 問3 | 問4 | 問5 |
---|---|---|---|---|
D | A | B | E | C |
問6 | 問7 | 問8 | 問9 | 問10 |
E | D | B | B | C |
健康保険法
問1 | 問2 | 問3 | 問4 | 問5 |
---|---|---|---|---|
E | B | E | B | E |
問6 | 問7 | 問8 | 問9 | 問10 |
D | D | B | C | D |
厚生年金保険法
問1 | 問2 | 問3 | 問4 | 問5 |
---|---|---|---|---|
C | B | D | C | C |
問6 | 問7 | 問8 | 問9 | 問10 |
A | D | C | E | D |
国民年金法
問1 | 問2 | 問3 | 問4 | 問5 |
---|---|---|---|---|
C | C | A | B | D |
問6 | 問7 | 問8 | 問9 | 問10 |
E | D | B | D | E |
試験講評
選択式試験について
8月25日に、令和6年度社会保険労務士試験が実施されました。受験された方、お疲れ様でした。
今年度の選択式試験については、全体的に見た場合、極端に難しいというものではありませんでした。
「労働基準法」は、最近の傾向どおり、判例の問題がありました。
問題文1は、児童の使用禁止の規定からの問題で、基本的な内容でした。
問題文2・3は、判例問題で「三菱重工長崎造船所事件」「シンガー・ソーイング・メシーン事件」からの出題です。判例自体は、どのテキストにも掲載されている内容です。毎年、頭を悩ませる労働基準法の判例問題ですが、テキストレベルからの内容だったので、少しハードルは低めと言えるかもしれません。
「労働安全衛生法」ですが、DもEも基本的な内容だったので、正しい選択肢を選ぶことは難しくありませんでした。これらから、基準点の引下げの可能性は低いといえます。
「労災保険法」は、昨年と同様、基本的な内容でした。
問題文1は、障害等級の決定・併合繰上げの問題で、表などで暗記した内容を文章でも理解できているかを問う内容で、問題文2は、年金の支給期間、未支給の保険給付に関する問題です。
問題文3は、判例からの問題ということで、ここで点数が取れなくても、全体として見れば、3点を確保することは難しくないので、基準点の引き下げはないでしょう。
「雇用保険法」です。
問題文1、AからCは、出生時育児休業についての問題で、いずれもテキスト等で重要ポイントとされている内容です。
問題文2は、延長給付についての問題で、迷った方が多いと思われます。また、問題文3は事例問題で、正しい選択肢を選ぶのは難しかったといえますが、A~Cを正答できれば、3点を確保することは難しくはないので、基準点の引下げはないでしょう。
「労務管理その他の労働に関する一般常識」は、
問題文1は告示からの問題で、ノーマークだったという受験生が多かったかと思います。
問題文2は統計問題で、労働力調査自体は、頻出の論点ではありますが、出題内容としては少し難しく、正しいものを選べなかった受験者が少なからずいると思われます。
問題文3は、判例問題で、労働協約の一般的拘束力についての問題でした。Cは頻出のワードである一方、Dの選択肢で迷ったという方も多いかと思います。問題文4は、男女雇用機会均等法からの問題で、基本的な内容でした。以上より、可能性は低いですが、基準点が2点に下がるかもしれません。
「社会保険に関する一般常識」ですが、
問題文1は「国民生活基礎調査の概況」から、問題文2は「介護保険事業状況報告」からの問題でした。どちらも統計問題で、知らなければ解けない問題です。
問題文3と4は、目的条文からの問題で、目的条文を丁寧に学習している受験者には、基本的な内容だったと言えます。以上より、基準点の引下げは行われないでしょう。
「健康保険法」について、
Aは保険外併用療養費からの問題で、見慣れない文言ではありますが、問題文の内容から答えを推測できる問題でした。B~Eは基本的な内容でした。油断をしてしまって、ミスをしてしまうということがあるかもしれませんが、できるだけ得点を稼いでおきたい科目といえます。そのため、基準点が2点に下がることはないでしょう。
「厚生年金保険法」ですが、
Aは国庫に関して、Bは標準賞与額に関して、Cは受給権の保護に関して、Dは遺族厚生年金の死亡日要件に関して、いずれも基本的な内容でした。Eで正しい選択肢を選べなかったということもありそうですが、3点を確保することは難しくはないので、基準点の引下げの可能性は低いでしょう。
最後に「国民年金法」についてです。
厚生年金保険法と同様、いずれも基本的な内容でした。ただし、「納付受託者」について学習が手薄になっていて、正しい選択肢を選べなかったということもありそうです。とはいえ、3点を確保することは難しくはないので、基準点の引下げの可能性は低いでしょう。
全体として、前年度の問題と比べた場合、極端に難しかったり、易しかったりということはなく、やや得点しやすかったといえる程度です。
例年と比べて、受験者のレベルに大きな変化がないのであれば、トータルの基準点については、昨年度と同程度で、基準点は、24~26点ではないでしょうか。ただし、科目別の基準点の引下げの状況などにより、変わってくる可能性もあります。
択一式試験について
8月25日に行われた「令和6年度社会保険労務士試験」の択一式試験について講評します。
まず、問題冊子のページ数は66ページでした。平成10年度頃は50ページ前後、その後、平成10年代は50ページから60ページ、そして、平成20年代は60ページ以上が増え、ここ6年、60ページ以上が続いています。
今年度は昨年度より6ぺージ増え、かなりのボリュームとなっていたため、時間配分で苦戦したという方も多かったのではないでしょうか。
それでは、各科目について見ていきます。
「労働基準法」は、
傾向どおり、通達や判例、コンメンタールの記載などからの出題がありました。細かい内容の問題もありましたが、基本的な内容や過去問で出題実績のある論点が多かったので、かなり正解することができたでしょう。そのため、できれば5問前後は正解しておきたいところです。
「労働安全衛生法」は、全体としてそれほど難しくなく、特に問8は正解したいところです。「労働基準法」と「労働安全衛生法」を合わせた10問で考えた場合、確実に基準点を確保し、できれば7点以上は取っておきたいです。
「労災保険法」は、
昨年同様に事例や認定基準などの出題があったほか、労災保険法の特徴である、1つのポイントに視点を置く問題がありました。
その中で問1は、基本的な内容なので確実に正解しなければならない問題です。今年は個数問題が2問あるなど、全体的に難しいレベルですが、正解できなくはない問題もありました。少なくとも2点、できれば3点以上取っておきたいところです。
「労働保険徴収法」は、
基本的な内容が中心でしたが、正誤の判断が難しい肢が含まれていたので、正解肢を選べなかったものがあったかもしれません。そのため、全問正解とならなかったとしても、「労災保険法」とのトータルで5点以上は取っておきたいところです。
「雇用保険法」は、
事例問題や助成金など、判断に迷う出題がありました。全体として難しく感じた方も多かったのではないでしょうか。その中でも問1や問5など、比較的取り組みやすい問題もあり、できれば4点以上取っておきたいところです。
「労働保険徴収法」は、
3問とも難しくはないので、3問すべてを正解することができたかもしれません。「雇用保険法」とのトータルで6点以上は取っておきたいところです。
「労務管理その他の労働に関する一般常識」について、
令和5年度は「労働契約法等」の出題がなく、労働経済が3問、法令から2問という出題構成となっていましたが、今年は、令和3年度までと同様、労働経済が2問で、法令等が3問、その内訳は、「労働契約法等」「労働関係法規」「社会保険労務士法」です。
労働経済のうち問1と問2は、過去に出題された調査に関する内容で、対策をしていた受験者もいたかと思われますが、内容的に自信を持って正解肢を選ぶのは難しかったでしょう。
問3と問4は、極端に難しいというものではなく、正解しておきたい問題です。問5は消去法で正解肢を絞り込める内容でした。これらの状況から、少なくとも2点、できれば3点を確保したいところです。
「社会保険に関する一般常識」は、
問9が「社会保障制度に関する問題」、それ以外が法令に関する問題となっており、5問とも単独の法律で構成されていた昨年度の出題形式とは変わっています。
内容としては、全体的に難しくはないことから、できれば3問は正解したいところです。「労務管理その他の労働に関する一般常識」と合計して考えると、科目別の基準点である4点の確保は充分に可能で、5点、6点は取れたのではないでしょうか。
「健康保険法」は、
例年、通達や事務連絡からの出題が多い傾向にありますが、今年は、約7割が条文をもとにした出題となりました。テーマとしては、保険給付を軸に保険者や被保険者、費用の負担など、幅広く出題されています。5肢のうち2つまで絞ったものの、その2つで迷ってしまうような問題がいくつかありました。そのため、思ったほど正解することができていないということが考えられます。
したがって、大量得点は難しいでしょうが、5点以上は取っておきたいところです。
「厚生年金保険法」は、
基本的な事項からの出題が多く、比較的得点しやすかったといえます。ただ、個数問題が1問、組合せ問題が2問あり、問題文を読むのに時間を要したかもしれません。
問1や問7など、基本的な知識を問う問題で確実に得点し、全体として6点、7点を取っておきたいところです。
最後に「国民年金法」は、
例年、複雑な事例問題が出題されることがありましたが、今年は昨年と同様、複雑な事例の出題はなく、全体的に基本的な知識で答えを導き出せるものが多くありました。
問2のように3の選択肢を選ぶ組み合わせ問題や問4のように正誤の判断がしにくい肢が複数含まれる問題もありましたが、科目全体で見たとき、取組みやすい問題が多かったと言えます。以上から、6点、7点は取れたのではないでしょうか。
トータルの基準点については、問題のレベルから考えた場合、昨年度(45点)より1点さがって、44点前後ではないでしょうか。
※解答速報・試験講評に関するご質問はお受けしておりませんので、予めご了承ください。
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